|
学ぶコンテンツ |
トップページ > 検査の見方・考え方 > ChE |
■ChE(cholinesterase):コリンエステラーゼ |
何がわかるか |
ChEは、Ach(アセチルコリン)という体内にある物質をコリンと酢酸に分解するのに必要な酵素である。
身体の中には、赤血球や神経組織、筋肉などに存在する真性ChEと言われる神経系の刺激伝達に関係するものと、血漿中や肝臓、膵臓、肺、腸に存在する偽性ChEと言われる物がある。通常検査で測定するものは、偽性ChEである。
ChEは、肝臓で生成され血中に分泌されるので肝臓の働き(タンパク合成能)を反映する。 |
異常値を示す主な疾患 |
|
ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、糖尿病、重症筋無力症、過栄養性脂肪肝、高脂血症 |
|
肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎、悪性腫瘍、農薬中毒 |
|
フローゼの時に上昇するのはChEの分子量が大きいため、腎糸球体で濾過されず血清中に残るためと、他のタンパクの喪失のため肝のタンパク合成能が充進し、ChEも増加するため(タンパク合成能とChEは平行する)、逆に肝疾患では肝実質障害によって活性低下になり、低値を示し、重症度に比例する。
※農薬中毒は、有機リン農薬系(パラチオン、メチルパラチオン、EPN、マラチオン、フェニトロチオン)で起こり、ChEの阻害により体内にAchが蓄積し、副交感神経抹消を興奮させ、嘔吐、縮瞳、言語失調をもたらし、窒息死に至こともある。
|
|
その他 |
・低栄養、感染症、貧血症疾患、妊娠などでも低下が認められる。
・男性>女性の傾向になる(10〜15%女性に比し高値)、男性の場合成人時から年齢の経過とともに値の低下が認められる。 (成人に比し老年者30%程低値)、個人差は大きいと考えられている。 |
|